Alice force エピローグ
「Deep Strike」
Alice forceから1週間後・・・
――各マスコミへ以下の様なFAXが届いたのは、雨の降る昼過ぎだった。
「前略
本来であれば、各社へ赴きお伝えしなければならない事ではありますが
当方が多忙につき、真に勝手ながらFAXにて失礼させていただきます。
今回、皆様のご協力もありAlice forceは興行的にも無事成功を収めました。
しかし、そのご報告の後で大変申し訳ありませんが
プロレスアカデミー及びプロレス団体Aliceを解散する事となりましたので
ここにご連絡させて頂きます。
また、本件に関しては皆様ご質問などがあると思いますので
3日後、当オフィスにおいて記者会見を設けさせて頂くこととしました。
詳しくは、そちらにてご説明させて頂きたいと思います。
まずはご連絡まで。
早々
Alice社長 式部京子」
――3日後、Aliceオフィス
Alice forceでマイティ祐希子が出場した事もあり、女子団体としては比較的多い数の記者が集まった。
その中、オーナーおよび式部以下、Aliceの講師、選手らが会場の前に集まり、式部の挨拶で記者会見は始まった。
式部「本日はお忙しい中、この様な場にお集まり頂きありがとうございます。
先日、FAXにてご連絡させて頂きました通り
プロレスアカデミー及びプロレス団体Aliceは、本日を持って解散いたします。」
記者「早速ですが、率直にいって解散の理由・・・原因というのはなんなんでしょうか?
噂では、オーナーとの確執や経済的な問題が聞かれますが?」
式部「まぁ、それもないとは言えないですが・・・(苦笑し、横にいるオーナーを少し見る。)
実はこの話は「Alice 3rd.」以前から、オーナーとの間では持ち上がっていました。
実際、Alice forceは皆様のご協力もあり成功を収めましたが
オーナー自身が本来の事業に力を注ぎたい意向もあり、これ以上Aliceに資本提供ができないというのが現状です。
――“Swaer Desires”(※詳細はクリックしてプロローグを参照)のみなさんには大変悪いことをしましたが
今思えば祐希子に来てもらったのは、オーナーの最後のワガママもあったのでしょうね。(再びオーナーを少し見る。)
しかし、一番の・・・本来の理由はAliceという団体がその役目が終わったという事です。」
記者「――というと?」
式部「Aliceというのはプロレスアカデミーであって
プロレス団体としてのAliceは、その彼女達がその成長を表現する場として設けられました。
そして、私達が面倒を見た4期の生徒達はみなプロレスラーとしてデビューし
その一番下の4期生まで、他団体でも僅かながらではありますが活躍できる様になりました。
ですので、先日のAlice forceをある試験として位置付け
それを彼女達にAlice forceの前、伝えました。そして、無事全員合格に値する力を見せてくれました。」
記者「つまり、Aliceの生徒達はアカデミーから卒業であると。」
式部「そういう事です。それと同時に私も校長を・・・そして、オーナーの元から卒業します・・・」
記者A「そうなると、今後の彼女達はどうなるんでしょうか?
これは、式部さんら講師勢の方々・・・いわゆる「元新日本」の方々にもいえるんですが・・・」
式部「それなんですが・・・先ほど触れたとおり、私は・・・私達は現オーナーの元から離れます。
そして・・・私達自身で新団体を立ち上げます!
新団体名は「"S"[superior]」!意味としては「上質」という意味があります。
また、Aliceという魂を内包しつつもアカデミーとしてのAliceの名前からの脱却。
「元新日本」とAlice、「講師」と「生徒」という枠組みをなくし
この両者が垣根のない闘いをStartすることも意味します。
これからも内容として上質のものを、みなさまにお届けできればと思っています。」
また、このあと次の事が発表された。
・オーナーはコミッショナーとして引き続きAliceの名の使用権限を有し、Alice認定ヘビー級選手権の権利を持つ。
・式部・吉田両選手はリングネームをそれぞれ「ブレード上原」・「サンダー龍子」に戻す。
式部「これから心機一転、また「ブレード上原」としてやっていきますので宜しくお願いします。」
・来島選手は"S"に参戦しない。
来島「思うことがあり、またアメリカに行くことにしました。
そのあとも転々とするかも知れません。また日本に戻ってきたら、その時は宜しく。」
・南・越後・砂田・えみぃ〜☆・モンスター各選手は以前と同じくフリーとして"S"に参戦する。
・奥井・田中・大空・桃見・七橋各選手はフリー選手へ転向し「Darkness」として活動する。
奥井「この5人+αで「Darkness」としてやっていきます。来年の「F-5」はこの「Darkness」で逆襲してやるからな!」
・アイン・アニー・ミンメイ各選手は"S"に入団する。
アニー「まぁ、いままでとあんま変わらないんですけど、"S"に入団することになりました。宜しくです。」
・宇働選手は1人Aliceとして活動する。
宇働「ある意味、私が泣きついたから出来た団体だからね。私はこの名前を捨てない!これからは私がAliceだ!!」
こうして、プロレスアカデミー及びプロレス団体としてのAliceは解散した。
そして、彼女達はそれぞれで更なる飛躍をしていくだろう。
――私はオーナーとしての役目を終え、そしてまた別々の道を歩んでいくが
これからも彼女の成功を祈りつつ、見守っていきたいと思う。
Fin
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